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  2011.3.11 東北地方太平洋沖地震について  
     
 

 2011年3月11日に発生した我が国の観測史上最大となる東北地方太平洋沖地震(M9.0)は、東北から関東に及ぶ広範な地域において、沿岸部を中心に津波と地震動による甚大な被害をもたらす巨大地震となりました。震源より200km以上離れている東京湾沿岸でも液状化による被害が生じましたが、東京都15号地木材埠頭を始めとするDEPP工法の施工エリアは、ほぼ無傷の状態で地震後も施設の供用が継続されています。一方、震源により近い仙台港向洋埠頭では、DEPP工法による液状化対策を施した岸壁エプロンが15cm程度の排水沈下を生じたものの崩壊には至らず、レベル2地震に相当する激しい揺れを耐え抜きました。

 
     
  (1)東京港15号地木材埠頭

東京都江東区若洲の15号地木材埠頭では、2001年から2005年にかけて、岸壁法線より約30m,岸壁延長660mの範囲をDEPP工法により地盤改良が実施されました。代表的な施工断面を図-1に示します。岸壁は控え杭式の鋼管矢板構造で前面水深は-12mとなっています。ドレーン材は、グリッドとスパイラルの両ドレーンが用いられ、打設間隔45〜65cm(調査区域は打設間隔55cm)で設置されました。施工の状況を写真-1に示します。

 
     
   
 

図-1 15号地木材埠頭 標準改良断面

 
     
 
 
 

写真-1 木材埠頭 ドレーン打設状況

 
     
 

15号木材埠頭LDバースの平面図と地震直後の状況を図-2および写真-2〜写真-4に示します。各写真から、未改良域ではクラック・噴砂・陥没等の液状化による甚大な被害が生じていることが分かりますが、改良域では異常点は認められませんでした。また、写真-2のように岸壁法線にも液状化によるはらみ出しなどの変形は認められず、DEPP工法の液状化防止効果が確認されました。

 
     
   
 

図-2 15号地木材埠頭LDバース 改良平面図

 
     
 
写真-2 岸壁法線
 
写真-3 背後地の液状化状況
 
     
   
 

写真-4 未改良域(左側)と改良域(右側)の比較

 
     
     
  (2)仙台塩竃港向洋埠頭

東北地方太平洋沖地震による液状化被害は仙台塩竃港においても報告されています。(独)港湾空港技術研究所が公開する港湾地域強震観測記録によれば、仙台港(仙台-G: F-2959)で計測された地表面における最大加速度は、623.7(gal)NS.でした。
仙台塩竃港の内、仙台港区向洋埠頭では、1995年に桟橋式岸壁背面(幅:約10m、延長:約320m)の液状化対策工事がDEPP工法により行われました。ドレーン材はスパイラルドレーンが用いられ、打設間隔64cm、打設長さは2.3〜10.1m(平均6.3m)で施工されました。施工状況を写真-5〜写真-6に、代表的な施工断面図を図-3に、施工平面図を図-4に示します。また、地震発生後の状況を写真-7〜写真-10に示します。

 
     
 
   
写真-5 ドレーン打設状況(a)
 
写真-6 ドレーン打設状況(b)
 
     
   
 

図-3 向洋埠頭 標準改良断面図

 
     
   
 

図-4 向洋埠頭 改良平面図

 
     
 
写真-7 改良部地震後状況(a)
 
写真-8 改良部地震後状況(b)
 
     
 
写真-9 改良部地震後状況(c)
 
写真-10 未改良部被災状況
 
     
 

地震後に向洋埠頭の被災状況を調査した結果、桟橋部においては岸壁法線のはらみ出し等の被害は確認されませんでした。また、桟橋とDEPP工法により改良した背面エプロンの境界において、写真-7〜写真-9に示すように排水沈下によると思われる15cm程度の段差が生じましたが、それ以外の被害は目立った確認されず、比較的早い段階で岸壁は復旧され、供用が再開されました。一方、未改良であった隅角部の護岸においては、写真-10に示すように、舗装の陥没、土砂の流出といった液状化現象による被害が確認されました。
以上のことから、非常に大きな加速度と長い継続時間をもつレベル2相当の地震動に対しても、DEPP工法の有効性と巨大地震に対する粘り強さが証明されました。

 
     
 
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  2003年十勝沖地震について  
     
 

 2003年9月26日に発生した十勝沖地震は、釧路町、厚岸町、浦河町を中心に大きな揺れを観測し、様々な構造物に被害をもたらしました。そのような状況の中で、DEPP工法により耐震補強された港湾構造物を現地調査した所、ほとんど地震による被害を受けておらず、DEPP工法による高い耐震性能が大型地震により実証されましたので、ここに概要を報告いたします。

(1)釧路港東港副港地区漁港埠頭
1)岸壁構造
岸壁は当初-7.5m 矢板式岸壁として昭和55年度に完成したものです。その後、当該岸壁は1993年の釧路沖地震で壊滅的な被災を受け、漁獲物の陸揚施設としての利用に著しい支障をきたした為、岸壁法線を20m前出しし、構造もケーソン式の重力式岸壁としました。その後、1994年10月の北海道東方沖地震により、エプロン部が液状化により陥没したため液状化対策を実施し、エプロン部と一部建屋の下までスパイラルドレーンまたはグリッドドレーンを打設しました。
ドレーン打設に際し、エプロン部を覆っていた屋根の一部を撤去しましたが、建屋から約6m部分は撤去不可能であったため、ドレーン打設機をできるだけ建屋に近づけ、そこから最大30゜の角度でドレーンを斜めに打設し対処しました(図−1 参照)。

 
     
     
   
 
図−1 釧路港副港漁港埠頭-7.5m岸壁標準断面図(DEPP工法ドレーン打設エリア)
 
     
  2)被災状況
建屋とエプロンとの境界部に、一部陥没が確認され、若干の噴砂が確認されました。しかし、ここはドレーンの斜め打設が行われたエリアで、上層部にドレーンの設置が出来なかった箇所です。
ケーソン背面とドレーン打設領域との間には、若干の沈下が認められる箇所もありましたが、写真−1に示すように、ドレーンが打設されているエリアにおいては、亀裂、陥没とも確認されておらず、DEPP工法の耐震効果が実証されました。
 
     
 
DEPP工法ドレーン打設部の状況
 
 
写真−1 DEPP工法ドレーン打設部の状況(目地の開き・クラック共に無し)
 
     
     
  (2)霧多布港本町地区-4.0m物揚場
1)岸壁構造
霧多布港本町地区-4.0m物揚場は、昭和59年に完成した捨石注入タイプ(プレパックドコンクリート)の物揚場です。当該物揚場は、1993年釧路沖地震により被災を受けた後に復旧しました。その後、1994年北海道東方沖地震での液状化によりエプロン舗装全般に亘り沈下、亀裂が入り、隣接構造物との間に段差が生じました。このため、復旧工事では液状化対策として、復旧延長285.5m間に対しDEPP工法によりドレーンが打設されました。ドレーン打設後の標準断面を図−2に示します。
 
     
     
   
 

図−2 霧多布港本町地区-4.0m物揚場標準断面(DEPP工法ドレーン打設エリア)

 
     
  2)被災状況
ドレーンを打設した本町地区-4.0m物揚場については、写真−2および写真−3に示すように被災は認められず、本港でもDEPP工法の有効性が確認されています。霧多布港は釧路港に比して被害は少なかったが、近隣の厚岸町で震度6が記録されていることから、揺れ(地震加速度)は比較的大きかったと推測されます。
 
     
 
 
  写真−2 霧多布港本町地区-4.0m物揚場ドレーン打設部の状況@(地震による被害無し)  
     
 
 
  写真−3 霧多布港本町地区-4.0m物揚場ドレーン打設部の状況A(地震による被害無し)  
     
     
 
 
 
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